歯周病について 歯周病は、歯を支える組織が口腔内の細菌の感染により炎症を起こし、最終的には歯が抜け落ちる可能性がある病気です。 主に歯ぐきや歯槽骨(歯を支える骨)が影響を受けます。歯周病は進行がゆっくりなため、初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行してしまうことが多いです。
歯周病の原因 歯と歯ぐきの溝にたまった歯垢が歯ぐきの炎症を起こす病気です。 この歯垢1mgの中には約10億個の細菌が住みついていると言われ、むし歯や歯周病をひき起こします。 また歯垢を取り除かないと唾液中のカルシウムと混ざり歯石になります。 歯石の中や周囲に細菌が入り込み毒素を出すので歯周病を悪化させます。 歯石はとても固くブラッシングでは取り除けないので歯科医院で専用の器具で取り除く必要があります。
歯周病の進行 歯周病は進行度合いに応じてレベル1~4に分類されます。 最初は歯ぐきからの出血に始まり、歯周ポケットが深くなり、歯槽骨を溶かし、歯がぐらつくようになり、最悪の場合歯が抜け落ちてしまいます。 レベル1:歯肉炎 レベル2:軽度歯周炎 レベル3:中度歯周炎 レベル4:重度歯周炎
歯周病の治療 SRP(スケーリング・ルートプレーニング) スケーラーという器具を使って歯周ポケットからプラークや歯石を除去します。 プラークや歯石には歯周病菌が大量に生息しているので、歯周病菌の住処をなくすことで、 歯周病の悪化や歯茎の腫れを抑えます。 フラップ手術 歯ぐきを切開し、スケーラーでは届かない歯周ポケットの深い部分にある歯垢や歯石を取り除きます。 歯周病がレベル3~4まで進行してしまった場合に行います。 歯周組織再生療法 失ってしまった歯周組織を再生させる治療法です。 再生を促す薬剤を使用する方法や骨を移植する方法、GTR膜と呼ばれる人工膜を使用するGTR法などがございます。 当院では保険適応の「リグロス」という薬剤を使用して再生を促す治療が行えます。 ※リグロスはフラップ手術で歯石を取り除いた後に使用します。
リグロスとは リグロスは、医科分野においてやけどなどで失った皮膚の再生に使用されている薬剤と同じ成分でできております。 この薬剤の成分の濃度を歯科治療用に変更し、歯を支える歯周組織を再生するための薬剤として誕生しました。 歯周病のレベル3~4の方で、適応症の方の場合は保険適応可能です。 適応症(治療を受けられる方) ・歯周病の基本治療がお済の方 ・歯槽骨が部分的に垂直の方向に3mm以上減っている方 ・非喫煙者の方 禁忌症(治療を受けられない方) ・リグロスの成分に対し過敏症と診断された経験がある方 ・口腔がんがある、または口腔がんと診断された経験のある方